AsIs業務フロー機能

最終更新日: 2025年5月19日

AsIs業務フロー機能の詳細な使い方を解説します。

AsIs業務フロー機能

AsIs業務フロー機能は、現状の業務プロセスを視覚的に表現し、分析するための機能です。この機能を使うことで、業務の流れや関係者、各作業の詳細を明確に整理することができます。

基本的な業務フローの描き方

業務フローは以下の流れで作成します:

  1. プロジェクトを選択(新規作成または既存プロジェクトから選択)
  2. サイドメニューから「AsIs業務フロー」を選択(選択時に自動的に「フロー」タブが表示されます)
  3. アクター、ノード、セクション、パターンを活用して業務フローを作成

Acsim業務フロー作成画面

作成した業務フローは自動保存されます。「フロー」タブを離れても作業内容は失われません。

業務フローの基本要素

Actor(アクター)

アクターは業務フローに登場する関係者(人物、部署、システムなど)です。

特徴

  • 業務の実行者を明確に表現
  • 「人」と「システム」の2種類から選択可能
  • 各ノードに担当アクターを設定可能

追加方法

  1. 画面下部のメニューから「Actor」ボタンを選択
  2. 「+追加」ボタンをクリックして新しいアクターを追加
  3. 「種別」欄で「人」または「システム」を選択
  4. アクター名を入力
  5. 「保存」ボタンをクリックして確定

Section(セクション)

業務フローを論理的に区分けするためのセクションは、サブセクションと組み合わせることで複雑な業務フローも階層的に整理できます。

特徴

大規模な業務フローを整理する際に役立つ、業務フローを大きく分割するための機能です。

追加方法

  1. 以下のいずれかの方法でセクションを追加できます
    • 画面下部のメニューから「Section」ボタンを選択し、表示される選択肢から「Section」を選択
    • Actorを設定すると表示されるSection専用エリア(画面上部の空白領域)をクリックする
  2. セクションの名前を入力
  3. 「保存」ボタンをクリックして追加
  4. 必要に応じてセクションの両端をドラッグして幅を調整

サブセクション

サブセクションはセクション内でさらに細かく業務を分割するための要素で、アクターの中に配置されます。

追加方法:

  1. 以下のいずれかの方法でサブセクションを追加できます
    • 画面下部のメニューから「Section」ボタンを選択し、表示される選択肢から「SubSection」を選択
    • Actorを設定すると表示されるSubSection専用エリア(アクター内の空白領域)をクリックする
  2. セクションの名前を入力
  3. 「保存」ボタンをクリックして追加
  4. 必要に応じてセクションの両端をドラッグして幅を調整

下図のように、複数のセクションと複数のサブセクションを組み合わせて業務フローを整理できます。
また、セクションの幅は両端をドラッグすることで自由に調整可能です。

Acsim業務フロー セクション画面例

Pattern(業務パターン)

業務パターンは、業務フロー内の特定のパターンを識別し、再利用可能な形で管理するための機能です。

特徴

  • 名前(name): パターンの名称
  • 割合(percentage): そのパターンが業務全体に占める割合
  • 複数のノードに同じパターンを適用可能
  • 業務パターンで絞り込むと、該当するノードが明るく表示される
  • 登録した業務パターンごとの分析結果を確認できる

追加方法

  1. 画面下部のメニューから「Pattern」ボタンを選択
  2. パターン名と必要な情報を入力
  3. 「保存」ボタンをクリックして追加

利用方法

  • 類似業務の識別: 同じパターンを持つ業務を識別し、一貫した改善を行う
  • 業務の分類: 業務を特定のパターンに分類することで、分析を容易にする
  • 比較シナリオの作成: AsIsとToBeの業務フロー間で同じパターンを持つノードを比較する
  • 絞り込み表示: 画面右上のフィルターから特定のパターンに該当するノードだけを明るく表示

Acsim業務フロー パターン絞り込み例

Node(ノード)

ノードは業務フローの各プロセスやアクションを表現する要素です。

ノードの種類

  • ActionNode:業務アクションを表すノード
  • ConditionNode:条件分岐を表すノード
  • MemoNode:メモや補足情報を記録するノード
  • IssueNode:確認事項を記録するノード

追加方法

  • 画面下部の「Node」ボタンをクリックし、クリックした位置にノードを作成(ドラッグ&ドロップで任意の位置に作成可能)
  • 画面上で右クリックしてノード種類を選択し、クリックした位置にノードを作成
  • ActionNode/ConditionNodeから矢印を伸ばすと、自動的に新しいActionNodeが作成

接続方法

ノードの端にある接続ポイントをドラッグし、接続先ノードのポイントまで線を引くだけです。

効率的な配置のコツ:

  • 時系列に沿って左から右に配置
  • 線が交差しないように適切な間隔を空ける
  • 関連する作業はまとめて配置

ノードの詳細設定

各ノードタイプには、業務を詳細に記述するための設定項目があります。

ActionNode

ActionNodeは具体的な業務アクションを表現するためのノードです。

ActionNode編集画面

主な設定項目:

  • 内容:作業、業務内容を記述するフィールド
  • モード:「手動」または「自動」から選択する作業実施方法
  • 時間:1回あたりの作業時間(分単位)を数値で入力
  • 頻度:週に何回実施するかの頻度を数値で入力
  • Input:業務を遂行するために必要なインプット(成果物との関連付け)
  • Output:業務内容における成果物(アウトプット)
  • 業務パターン:この業務を実行する業務パターン(複数選択可能)

ConditionNode

ConditionNodeは業務フローの分岐点を表現するためのノードです。

ConditionNode編集画面

主な設定項目:

  • 内容:分岐の内容を記述するフィールド
  • 選択肢:条件分岐の選択肢と割合を設定
  • モード:「手動」または「自動」から選択する判断方法
  • 時間:判断にかかる時間(分単位)を数値で入力
  • 頻度:週に何回この判断が行われるかの頻度を数値で入力
  • 判別基準:「人による判断」「ルールベース」「ルールベース(例外あり)」から選択
  • 業務パターン:この条件分岐が属する業務パターン(複数選択可能)

MemoNode

MemoNodeは業務フローに関する補足情報や注釈を記録するためのノードです。

MemoNode編集画面

主な設定項目:

  • 内容:メモや補足情報の内容を記述するフィールド
  • URL:関連する参考URLなど
  • 画像:説明用の画像をアップロード可能(フロー内で直接表示)

IssueNode

IssueNodeは確認事項を記録するためのノードです。

IssueNode編集画面

主な設定項目:

  • 内容:確認事項の具体的な内容を記述するフィールド
  • URL:関連する参考URLなど
  • チェック状態:確認事項の完了/未完了を示すチェックボックス(✅チェック時はグレーアウト表示)

その他の機能

JSONダウンロード

業務フローはJSON形式でダウンロードすることができます。

特徴

  • 作成した業務フローをJSON形式で保存
  • 別のプロジェクトへのインポートやバックアップとして活用可能
  • LLMと連携して高度な業務分析やソリューション提案が可能

利用方法

  1. 画面右上のダウンロードボタンをクリック
  2. JSONファイルが自動的にダウンロードされます

LLM連携活用例

  • 業務フロー分析レポート:経験豊富なコンサルタントのような視点での業務課題抽出
  • ソリューション提案:業務改善のための具体的な提案書作成
  • 様々な成果物の自動生成:要件定義書、仕様書、テスト計画書などの作成支援

業務分析初心者でも、JSONファイルをLLMに連携することで、経験豊富なビジネスコンサルタントのような業務分析やソリューション提案が可能になります。

コラボレーション機能

複数のユーザーが同時に業務フローを編集できるリアルタイム編集機能があります。チームでの業務フロー作成・分析に役立ちます。

よくある質問

Q: 複数のアクターが関わる作業はどう表現すればいいですか?
A: 主担当となるアクターを選択し、MemoNodeで補足することをお勧めします。

Q: 業務フローが複雑で一画面に収まらない場合はどうすればいいですか?
A: セクションとサブセクションを活用して、業務フローを構造化することをお勧めします。また、ズーム機能を使って全体を俯瞰することも可能です。

Q: IssueNodeはどのように活用すればいいですか?
A: 確認事項をIssueNodeで記録し、ミーティングで議論を進めます。顧客も追加質問をIssueNodeで記録でき、完了したものには✅をつけます。全てのIssueNodeが完了すると、AsIs業務フローが完成となります。