現状業務の課題からSaaS・パッケージ製品を調査・選定する

最終更新日: 2026年3月10日

Acsimで整理した現状業務の課題をもとに、AIのWEB検索機能を活用して自社に合ったSaaS・パッケージ製品を効率的に調査・選定する方法を紹介します。

事業会社において、既存の古いシステムを刷新する際に、SIerに開発を依頼するのではなく、自分たちでSaaSやパッケージ製品を選定・導入して課題を解決するというアプローチが増えています。

しかし、似たような機能を持つSaaSやパッケージ製品が数多く存在するため、自社の業務要件に合った製品を見つけ出すのは容易ではありません。製品ごとに機能の範囲や強み・弱みが異なり、表面的な比較だけでは実際の業務にフィットするかどうかの判断がつきにくいのが実情です。

ここでは、Acsimで現状業務を整理し、課題を明確化した上で、AIのWEB検索機能を活用してSaaS・パッケージ製品を効率的に調査・選定するプロセスを紹介します。

推奨フロー

AsIs業務フロー作成 → 課題整理 → 現場と優先度・実現したいことを整理 → AIで製品調査 → 比較・選定

STEP 1. AcsimでAsIs業務フローを作成する

まず、Acsimで現状の業務フロー(AsIs)を作成します。ヒアリング、テキストからの生成、既存資料からの取り込みなど、方法は問いません。

この段階で業務の全体像を可視化しておくことが、後続の課題整理や製品選定の精度に直結します。

既にAsIs業務フローを作成済みの場合、この工程はスキップしてください。

STEP 2. Acsim Chatで現状業務の課題を整理する

作成したAsIs業務フローのJSONファイルをエクスポートし、Acsim Chatにアップロードして課題の洗い出しを行います。

以下はプロンプトの例です。対象業務に合わせて適宜調整してください。

添付したJSONファイルは現状の業務フローです。正確に解析した上で、
以下の観点から現状業務の課題を洗い出してください。

1. 手作業が多く、ミスや工数が発生しやすい業務
2. 情報の受け渡しや共有に課題がある業務
3. 属人化している業務
4. 頻度が高く、自動化・効率化の余地がある業務
5. 承認・確認プロセスが複雑、または遅延しやすい業務

課題ごとに、影響度(高・中・低)と、改善した場合の期待効果も併せて記載してください。
出力はMarkdown形式でお願いします。

出力結果は 課題整理.md などのファイル名で保存してください。

STEP 3. 現場と話して課題の優先度と実現したいことを整理する

STEP 2で洗い出した課題を現場の担当者と共有し、以下の観点で整理します。

  • 課題の優先度づけ: すべての課題に同時に対処することは現実的ではありません。業務への影響度、発生頻度、対処の緊急性をもとに優先度を決めましょう。
  • 実現したいことの明確化: 課題を解決した結果、どのような状態になっていたいかを具体的に言語化します。「〇〇を自動化したい」「〇〇の処理時間を半分にしたい」など、できるだけ具体的に記述してください。
  • 制約条件の確認: 予算、導入期間、既存システムとの連携要件、セキュリティ要件など、製品選定に影響する制約条件も併せて整理しておきましょう。

整理した内容は、STEP 2で作成した課題整理ファイルに追記する形で更新してください。

STEP 4. AIのWEB検索機能でSaaS・パッケージ製品を調査する

現時点でAcsim ChatにはWEB検索機能がないため、このステップではWEB検索機能を持つAIツールを使用します。Microsoft Copilot、ChatGPT、Claude、Geminiなど、利用可能なツールをお使いください。

STEP 2〜3で作成した課題整理ファイル(.md)と、AsIs業務フローのJSONファイルをAIツールにアップロードし、以下のようなプロンプトを実行します。

添付したJSONファイルとmdファイルは、現状業務フローとその課題および実現したいことを
整理したファイルです。

これらの内容を正確に解析した上で、自社の実現したいことを解決できるSaaS/パッケージ製品を
以下の条件に合う形で調査してください。

## 調査条件
- 予算: 月額〇〇万円以内(または初期費用〇〇万円以内)
- 導入期間: 〇ヶ月以内
- 利用人数: 約〇〇名
- 既存システムとの連携: 〇〇(例:会計ソフト△△とのデータ連携が必要)
- セキュリティ要件: 〇〇(例:ISO27001認証取得済みであること)

## 出力形式
製品ごとに以下の項目を整理して比較表を作成してください。

- 製品名
- 提供企業
- 主な機能と特徴
- 実現したいことへの対応度(◎完全対応/○一部対応/△要カスタマイズ/×非対応)
- 料金体系(初期費用・月額費用)
- 導入期間の目安
- 既存システムとの連携可否
- 導入実績(同業種・同規模の実績があれば記載)
- メリットとデメリット
- 参考URL

最低5製品以上を調査し、推薦順に並べてください。
推薦理由も製品ごとに記載してください。

プロンプト内の調査条件は、STEP 3で整理した制約条件に基づいて、適宜調整してください。

調査結果の深掘り

初回の調査結果で気になる製品が見つかった場合は、追加で以下のような質問を行うことで、より詳細な情報を得ることができます。

〇〇(製品名)について、以下の点を追加で調査してください。

1. 添付した業務フローの各業務に対して、具体的にどの機能で対応できるか
2. 標準機能でカバーできない部分と、その代替手段
3. 無料トライアルやデモ環境の有無
4. サポート体制(日本語対応、問い合わせ手段、対応時間)
5. 他社からの乗り換え実績や移行支援サービスの有無

STEP 5. 調査結果をもとに比較・選定する

AIの調査結果はあくまで叩き台であり、参考情報です。ハルシネーション(もっともらしい嘘)が含まれる可能性も十分にあります。最終的な選定にあたっては、以下のアクションを推奨します。

  • 製品の公式サイト・ドキュメントを確認する: AIが出力した情報の正確性を公式情報で裏取りしてください。
  • 無料トライアル・デモを試す: 実際の操作感や自社の業務との相性を確認しましょう。
  • ベンダーに問い合わせる: 細かい要件への対応可否や、導入支援の内容を直接確認しましょう。
  • 現場担当者にも触ってもらう: 実際に使う人の意見を取り入れることが、導入後の定着に繋がります。

まとめ

ステップ作業内容担当
STEP 1AcsimでAsIs業務フローを作成人間 + AI
STEP 2Acsim Chatで現状業務の課題を洗い出しAI
STEP 3現場と課題の優先度・実現したいことを整理人間
STEP 4AIのWEB検索機能でSaaS・パッケージ製品を調査AI
STEP 5調査結果をもとに比較・選定人間

現状業務の課題を明確にした上で製品選定を行うことで、「導入したものの業務に合わなかった」という失敗を防ぐことができます。Acsimで業務を可視化し、AIを活用して効率的に製品調査を行うことで、自社に最適なSaaS・パッケージ製品の選定を実現しましょう。

なお、製品選定後のカスタマイズ分析や工数算出については、SaaSカスタマイズ分析と工数算出も併せてご活用ください。